・新しいことに挑戦したいので、上司に退職することを伝えようと思っている。
・面接で転職理由を聞かれたとき、新しいことにチャレンジしたいと上司に伝えるとプラス評価になるの?
・未経験の分野にチャレンジしたい場合、転職理由はどのように説明すればよいのだろう?
現職からのステップアップや、未経験の分野に挑戦するために転職を考えている人も多いのではないでしょうか。
その際、上司や転職先の面接官から転職理由を聞かれたとき、どう答えればいいのか戸惑うかもしれません。
本記事では、転職の際に「新しいことに挑戦したい」という気持ちを効果的に伝えるための重要なポイントやアドバイスをご紹介します。ぜひご覧ください。
「新しいことに挑戦したい」という転職理由で気をつけること
新しいことに挑戦するチャレンジ精神は会社の利益にはつながらない
新しいことにチャレンジする精神については、とても大切なことだと思います。
そして、何事にも向上心が必要です。
向上心がないと、自己満足に陥ってしまい、成功のための努力を怠ったり、できなかったりします。
ただし、チャレンジ精神ばかりをアピールしても、会社のメリットにはなりません。
新しいことに挑戦する人は即戦力として使えない
「新しいことに挑戦する=ゼロからのスタート」と受け止めているのかもしれません。
中途採用社員に対して、新卒社員と同じだけの教育費をかける企業はほとんどありません。
そのため、中途採用者は前職や学歴から得た一定の知識やスキルを持っていると考えるのが一般的です。
さらに、中途採用の社員は、業界や技術に関する特別な知識を持ち、貴重な人材である場合もあります。
このような中途採用者には、入社後すぐに活躍してもらうことが期待されています。
これらの理由から、多くの企業が即戦力となる人材を求めています。
「新しいことに挑戦したい」という転職理由のメリット
新しい職種につける
実際に働いてみて、憧れの業界・業種に惹かれることもあるでしょう。
そのような場合、ずっとやりたかった業界を再度選択することも可能です。
昔から熱中していたことを追求し、夢の実現に向けて努力する良い機会になるのではないでしょうか。
その業界に飛び込むためには、どのようなスキルが必要なのかを調べることから始めるとよいでしょう。
新たな人脈ができる
新しいことにチャレンジすることで、当然、自分を取り巻く環境は大きく変化します。
それは、新しい役割を担うこと、新しいスキルを身につけること、新しいチームに参加すること、あるいはチームを作ることといった形です。
そうすることで、同僚だけでなく、全く異なるバックグラウンドや業種を持つ顧客やビジネスパートナーとのネットワークも広がります。
異なる視点からの洞察と理解を得ることは、これらの人々とより良い関係を作り、会社に大きな付加価値を与えるために不可欠です。
また、過去に取り扱ったことのない業界を探索し、より深く理解することで、その業界に関する専門知識やレベルを高め、より強力で効果的な関係を構築することが可能になります。
キャリアアップがめざせる
これまでの経験とは異なり、専門分野の最新トレンドに関する知識、コミュニケーション能力、問題解決能力、分析能力など、新たなスキルを身につけることができます。
これにより、どんなプロジェクトでも活躍できる機会がさらに増え、チーム全体に価値ある貢献ができるようになります。
このようなチャレンジ精神と前向きな姿勢は、常にあなたに期待されており、あなたの成長志向を誰もが評価してくれることでしょう。
また、視野を広く持ち、各分野の進歩に常にアンテナを張っておくことも、キャリアアップの大きなチャンスにつながります。
「新しいことに挑戦したい」という転職理由のデメリット
イチから学び直さなくてはならない
業界や職種を変えることで、これまで培ってきたスキルや経験が生かされなくなる可能性があります。
そのため、「新しい挑戦」という言葉があるように、新しいことにチャレンジし、新しいスキルを身につける必要があるのです。
新しいスキルを身につけることは、本人にとって大きな負担となり、また、過去に学んだ原理原則と全く矛盾することもしばしばあります。
また、企業側にとっても、本来の業務や人材に注力する必要がある中で、満足のいくレベルまで教育するためのリソースや時間を割くことは不利になります。
これは、結局のところ、人材に時間とリソースを割くことになり、その人材が教育を受けても会社に残らない可能性があることを意味します。
収入が下がる
多くの場合、年収はその人が持っていたスキルによって決まります。
つまり、自分が培ってきたスキルを生かせないということは、新人が何の勉強も経験もしていないのに、同じ給料をもらっているのと同じことです。
このことは、給料だけでなく、仕事に対するモチベーションにも悪影響を及ぼします。
その結果、年収が下がる傾向が強いので、個人のスキルや経験に応じて、より高い給与を求めたり、より良い報酬を得るための交渉をすることが不可欠となります。
年下の上司や先輩ができる
前述したように、彼らはスキルがないため、新人と同じような扱いを受けます。
当然ながら、もともと新しくやりがいのある仕事をしていた人とはスキルが違います。
自分より年下であっても、上司であることに変わりはなく、その判断を尊重しなければなりません。
そのためには、プライドを捨て、上司が自分より人生経験や仕事経験が少ないことを受け入れなければならないことも多いです。
年齢や経験に関係なく、人生経験や仕事経験の豊富な人と同じレベルの権限を持っていることを自分に言い聞かせなければなりません。
「年下の上司に指図されたくない!」と思う人には厳しいかもしれません。
慣れるまでストレスに感じる
前職でのやり方やスタイルが身についているため、新しい仕事に慣れるまでストレスがたまるでしょう。
新しい役割のルールや期待が、それまでとどう違うのか、理解するのに時間がかかるでしょう。
そんなときは、もう一度初心に帰って考えてみましょう。
転職の理由は何ですか?
新しいことに挑戦しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
もしかしたら、新しいことに挑戦することで、自分自身が成長し、さまざまな道を切り開くことができると感じたからでしょうか。
新しいアイデアを探求し、新しいことを学ぶことに挑戦したかったのでしょうか。
いずれにせよ、それはきっとあなたを奮い立たせてくれるでしょう。
「新しいことに挑戦したい」という転職理由で好印象を与える回答例
オペレーション担当から企画部門への挑戦
私が御社を希望した理由は、「高齢者に向けた先進的なデジタル広告」という高齢化社会への必要性に応えるサービスを展開しているからです。
高齢化社会の進むに伴い、スマートフォンやインターネットを活用する高齢者が急増しています。御社はそのような時代の先端を行くインターネット広告サービスを考案し、提供しているため興味を持ちました。
採用頂けましたら、現在持っている広告活動やデータ作成の能力を活かして、どのような媒体のどのような内容が最も高い成果を生むかの分析業務や企画提案をしていきたいと考えています。
デジタル技術で喜びを創造したいという思いは変わらないので、今後も増え続けるシニア世代の生活をより良くするために独自の方法で支援している御社で経験を積みたいと思い、応募致しました。
営業アシスタントから総務部門への挑戦
5年前からは不動産仲介業に従事し、ユーザーの目線で効果的に物件を見極めることができるようになったと思います。お客様の商談をサポートすることにやりがいを感じています。
しかし、その一方で、契約書の締結や審査業務を手作業で行うため、時間とコストがかかるという悩みを抱えていました。
そこで、生産性と効率化向上のために営業アシスタントに転身し、電子サイン化や審査業務のオンライン化などを達成してきました。
業務フローを円滑にするための提案力と、それを実行に移す実行力が、前職での強みであることから、御社の総務部門に採用頂けましたら、業務工数の削減と効率化の向上を第一の目標として取り組むことで、貢献していきたいと考えております。
「新しいことに挑戦したい」という転職理由で回答NG例
現職の愚痴が目立つ
今の職場では、ただ雑用をやらされている感じで、やりがいもなく、自分の能力を仕事に生かすことができない環境でした。
転職を考えたのは、自分の才能や能力をもっと発揮できる環境に移りたかったので、御社への転職を希望しました。
上司や残業時間への不満が転職理由になってる
私は現在、技術系の会社で営業事務として働いています。
毎日、上司や先輩に頼まれて資料を作成していますが、最低限の評価しか受けられず、次第に何のために働いているのかわからなくなり、転職した方が良いのではと考えるようになりました。
そんな中、貴社の「残業なし」というスタンスに惹かれ、応募させていただきました。
転職理由は「新しいことに挑戦したい!」成功する5つのポイント
なぜ新しいことに挑戦をしたいのか
新しいことに挑戦する。それはとても良いことだと思いますし、きっと新しいチャンスも広がると思います。
しかし、企業はまず、あなたが自社にふさわしい人材かどうか、自社のニーズに合ったスキルを持っているかどうかを考えます。
面接では徹底的に質問されるかもしれません。最終的には、あなたとの相性が良いかどうかを判断するのです。
ゼロからのスタートであれば、収入も減る可能性が高いです。
それでも挑戦するのは、将来役に立ちそうだから、興味があるから、面白そうだから、流行りそうだから、などの理由があるはずです。
しかし、どんな理由であれ、採用担当者は「ゼロから勉強し直すのは大変だで、途中で挫折しそうだ」と思うかもしれません。
今持っているスキルがどう活かせるのか
新しいこと、やったことのないことに挑戦するときでも、必ず経験が生かされるはずです。
どんなに不満のある仕事であっても、毎日業務をこなす中で、何らかのスキルを身につけ、学びがあったはずです。
前職で多くの問題やクレームに対処しなければならなかった場合、どのように対処しましたか?
激務だった場合、どのように仕事をこなしましたか?あるいは、気を抜くことなく仕事に打ち込んでいましたか?
今一度、自分がしていた仕事を振り返り、何を学んだのか、どんな経験を積んだのかを考えてみましょう。
なぜ今の仕事ではダメなのか
これも非常に重要な要素で、実際、多くの人が転職する本当の理由はここにあると思います。
新しいことに挑戦したいと言う前に、多くの人は今の仕事に不満や不安を感じているのではないでしょうか。
例えば、給料、働き方、人間関係、クレーム対応などです。
これらが主観的な理由であれば、新しいことに挑戦しても解消されることはないでしょう。
なぜ今の仕事がダメなのかをよく考えずに転職してしまうと、転職先でもまた同じような不満や悩みが出てきて、すぐにまた転職を考えることになります。
一歩下がって、自分のキャリア目標、価値観、望むライフスタイルの変化などを正直に評価することで、自分のキャリア全体の方向性をよりよく見極めることができます。
今の不満や不安は本当に新しいことにチャレンジすることで解消されるのか、自分のキャリア選択は長期的な目標に沿っているのか、よく考えてみましょう。
入社後のキャリアを明確にする
入社後、採用担当者に自分のビジョンを明確に伝えることが大切です。
ただ単に「新しいことに挑戦したい」というだけでは、会社にとって全くメリットがありません。
例えば、35歳で転職して新しいことにチャレンジする場合、新卒で入社した人と比べて10年程度のギャップが生じます。
自分が将来何を成し遂げ、どのように会社に貢献したいのか、説得力のある説明をすることが大切です。
まず、自分が何を成し遂げたいのか、どんな人間になりたいのか、そこまでのキャリアをどう積みたいのか、最終的な目標は何なのかを明確にしましょう。
何年後までに何ができるようになる予定なのか、考えてみましょう。
時系列でタイムラインのようなものを作り、その目標に到達するまでのステップをひとつひとつ丁寧に説明するとわかりやすいでしょう。
転職にはエージェントをつけよう
転職サイトに登録し、求人を検索し、エントリーシートを書いて提出するだけでも、大変な作業に思えるかもしれません。
転職エージェントを転職のプロとして味方につけることで、よりシンプルに、より効率的に転職活動を行うことができます。
転職サイトには掲載されていない求人情報を提供してくれるだけでなく、必要に応じてエントリーシートの添削や面接の練習、応募書類の改善などのアドバイスも受けられます。
登録は無料ですし、就職後のサポートも充実しているところがほとんどです。
転職エージェントに登録するだけで、あなたの理想の転職をサポートしてくれます。
まとめ
今回は、新しいことにチャレンジするための転職理由のポイントや事例をご紹介しました。
以下のポイントを意識して回答することで、「会社にマッチしているのか」「同じ理由ですぐに辞めてしまうのではないか」という採用側の不安を払拭し、選考を通過する可能性を高めることができます。
・自分の経験やスキルをアピールする
・どのようなことにチャレンジしたいのか具体的に伝える
・なぜその会社で働きたいのか、その理由を伝える
今回紹介した例文を参考にして、ぜひ自分なりの転職理由を整理してみましょう。